大久保 勲の人民元論壇    
     第14号 2005.9.26発行
福山大学経済学部教授
大久保 勲
<目次>へもどる
中国人民銀行が、米ドル以外の通貨と人民元の
取引相場の変動幅を3%に拡大
 新華網9月23日付け報道は以下の通りである。
 中国人民銀行は23日、米ドル以外の通貨と人民元のインターバンク外為市場直物取引相場の変動幅を従来の上下に各1.5%から上下に各3%に拡大し、即日実施することを決定した。また、銀行の対顧客米ドル公表相場の売買幅を適度に拡大することとした。同時に、米ドル以外の通貨について、銀行の対顧客公表相場の売買幅の制限を取り消した。

 人民銀行は23日《インターバンク外為市場取引相場と外為指定銀行公表相場管理を更に改善することについての通知》を出し、インターバンク直物外為市場の米ドル以外の通貨対人民元の取引相場の変動幅を拡大し、従来の上下に各1.5%から上下に各3%に拡大した。銀行の対顧客公表相場の管理方式を調整し、売買幅管理を実行し、米ドル直物為替の売値と買値の差は取引仲値の1%を超えてはならない。現金の売値と買値の差は取引仲値の4%を超えてはならない。銀行は規定の売買幅の範囲内で、当日の米ドル公表相場を調整してよい。《通知》はまた、米ドル以外の通貨について銀行の対顧客公表相場の売買幅の制限を取り消した。銀行は米ドル以外の通貨の対人民元相場を自ら決定してよく、あらゆる相場公表通貨の直物と現金の売値、買値について顧客と取り決めることができる。

 人民銀行によれば、人民元相場形成メカニズム改革と合わせて、人民銀行は7月21日、インターバンク外為市場取引相場と外為指定銀行公表相場管理に関する事項について調整を行なった。このことは相場メカニズム改革の平穏な運行を保証し、外為指定銀行の相場決定の自主性を強めた。このたびの人民元相場管理の更なる改善は、銀行の自主的な相場決定能力を更に強めるのに有利であり、相場リスクを有効に管理するのに有利である。公平で秩序ある競争を通じて顧客に優れたサービス提供するのに有利である。市場の需給を基礎として、通貨バスケット相場の人民元相場に対する変動を参考にして、管理と調節を行なうのに有利である。市場が相場形成の中で相場を定め、リスクを回避する基礎的作用を高めるのに有利である。銀行の対顧客米ドル公表相場の売買幅の適度な拡大は、投機筋の取引コストを増やす可能性があり、人民元相場水準の基本的安定を擁護するのに有利である。

 人民銀行によれば、今回の相場管理政策の調整はインターバンク外為市場の米ドルと人民元の取引仲値の形成メカニズムと変動幅を変更するものではない。人民銀行と国家外為管理局は引き続き主体的、コントロール可能、漸進の原則で、人民元相場形成メカニズム改革を改善し、市場に目を向けた、更に弾力性のある為替相場制度を健全にし、人民元相場を合理的で均衡の取れた水準での基本的安定を保持する。

 報道は以上の通りである。去る8月以来、中国当局は先物取引、スワップ取引等為替リスク回避のための措置を矢継ぎ早に出してきたが、今回まず米ドル以外の通貨の変動幅を拡大した。米ドルの変動幅拡大も年内にも行なわれる可能性がある。
(2005年9月24日午前8時半記す)



           <目次>へもどる