大久保 勲の人民元論壇    
     第35号 2008.12.5発行
福山大学経済学部教授
大久保 勲
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人民元対米ドル相場の最近の動きは正常か

 5日付けの『日本経済新聞』は人民元安が加速と報じている。中国外貨取引センターが中国人民銀行に授権されて発表している人民元対米ドル相場中間値(仲値)は、11月26日以降次の通りとなっている。

12月4日   1米ドル=6.8502元
12月3日          6.8502元
12月2日          6.8527元
12月1日          6.8505元
11月28日         6.8349元
11月27日         6.8292元
11月26日         6.8272元

 確かに、11月27日以降連続4日人民元対米ドル相場は下げた。新華網北京12月4日電によれば、陳徳銘・中国商務部長は4日、人民元の最近の変動は“完全に正常”で、中国は切り下げで輸出を促進することはないと述べた。
 第五次中米戦略経済対話についての記者会見で、ある記者が、切り下げは中国企業の輸出に助けとなるのか?最近の切り下げは中国の為替相場政策に変化が現れたことを意味するのか?と質問した。これに対し、陳徳銘部長(大臣)は、「最近の人民元対米ドル相場の小幅変動は完全に正常なものである。これは人民元の切り下げというよりも米ドルが堅調と言ったほうがいい。なぜなら人民元対ユーロ、人民元対日本円は安定しているからである」と述べた。
 12月4日の中間値は3日と同じく6.8502元であり、為替相場政策が変わったと見るのは時期尚早との見方がある。ある中国のエコノミストは、国内外のマクロ経済環境の変化で人民元対米ドル相場が下落したが、長期的趨勢は変わっていない、としている。今後の動きをフォローする必要がある。  
(2008年12月5日記す) 


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