第79号 2013.12.28発行 by 矢吹 晋
    尖閣問題矢吹報告――中国報道の誤解を正す <目次>へ
 中国社会科学院国外中国学研究中心が2013年11月9日に開いたシンポジウムに招かれて、私は小さな報告を行った(中美在钓鱼岛问题上的博弈――冲绳返还条约40年的回顾)。その際に、私を招いてくれた同中心の何培忠研究員と長時間語り合った。その一部を何氏は「歴史の事実を尊重し、釣魚島問題を解析する――当代中日関係史専家・矢吹晋教授訪談記」にまとめて『国際中国研究動態』(2013年12月号、総第6期4~10頁)に発表した。何培忠氏は事前に内容の確認を求めたので、私は一読して私の見解を丁寧に読み込んで短い紙幅にまとめてくれた努力が手にとるように分かったので、「これで結構です」と出版を承知した。
 12月20日、来源を『環球時報』として新華社が配信したので、矢吹訪談記は多くの人々に読まれることになった。それはそれでありがたいのだが、有難迷惑なのは、そのタイトルだ。「日専家: 釣魚島応帰還中国、美曽蓄意埋下矛盾」とある。これでは「センカクを中国に返せ」という話になり、インタビュー内容とは趣旨が大いに異なる。掲載を知らせてくれた何培忠氏のメールには「报社增加了文章题目」と説明があったものの、事情がいま一つ呑み込めない。4日後の12月23日、『国際中国研究動態』のPDF版が届き、ようやく事態は明らかになった。
 すなわちインタビューの原載は、この『研究動態』であり、『環球時報』はこれを転載する際に、きわめてミスリーディングなタイトルを付したのである。その意図はよく分からない。ただし、『環球時報』を読んで驚いた友人が少なくなかったので、ここに誤解を解くために経緯を明らかにしておきたい(2013年12月24日。)

 『環球網』2013-12-20


 話にもう一つ、おまけがつく。北京のシンポジウムに同席したソウル大学アジア研究所長姜明求教授が別れ際に私を呼び止めた。実は来月19日に釜山で姜明求教授の共催であるシンポジウムを計画している。ついては、いま報告された話を韓国で詳しく聞きたい。というのは、沖縄返還協定の舞台裏で、米国と中華民国政府がそのような交渉を行っていたこと、そしてその直後にキッシンジャーが北京に飛んだ舞台裏は韓国ではほとんど知られていない。ショート・ノーティスで申し訳ないが、都合をつけていただけないだろうか。
 幸い時間的にはまず都合がつけられそうなので、快諾した(実は、何よりも日本語で構わない、の一言が効いた)。その結果、以下の報道にあるような釜山の旅が実現した。




 

               
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