第1号 2004.5.15発行 by 中村 公省
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 上海にいま日本人が何人いるか? 旅行者は別にして、ビジネスや留学などで長期滞在している日本人がどれ位いるのか?
先年、さる「上海通」が、3万人という数字を吹聴しているのを耳にして、「そりゃ、ちょっとオーバーでしょう」と異議を挟んだことがある(『上海経済圏情報』58頁以下)。外務省の『海外在留邦人数調査統計』には、2002年10月1日現在、男1万1001人、女4693人で、合計と男1万5694人という数字が存在したからである。
 
ところが、その1年後の同調査統計(2003年10月1日)http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/tokei/hojin/04/index.htmlを見て驚いた。上海の長期滞在者は2万3518人と出ている。なんと対前年比50%増である。わずか1年の間に7824人も増加したのである。新規増加数7824人とは、北京の全日本人数7535人を凌駕する数字である。総数の2万3518人とは、香港の滞在者数(2万4323人)に肉薄する。この調子で増加すると、上海の日本人は2004年中に3万人に達する可能性がある。
外務省はまだ詳細報告を公にしていないが(5月末出版の予定)、前年のデータによると、上海領事館管内の長期滞在者は、民間企業関係者、報道関係者、自由業関係者、留学生・研究者・教師、政府関係者、その他からなり、民間企業関係者が大部分(83%)を占める。要するに、上海を商売の拠点とするビジネスが活気づき、類は友を呼び、関連ビジネスが広がり、ヒト、カネ、モノ、テクノロジーが日本から上海へ、上海へと向かっているのである。
 実は上海よりももっと凄い動きをしているビジネス・スポットがある。水の……、否、IT(情報技術)の蘇州である。日本人数が2001年は対前年比が15%に過ぎなかったが、2002年は190%(3倍増)、2003年は134%という驚異的な増大ぶりである。実数は2003年3064人であるが、すでに大連(2312人)や広州(1467人)を越える日本人が蝟集している。昆山、無錫、南通、南京、そして杭州、寧波などの上海経済圏が、蘇州の躍動に連鎖反応を起こしていることは想像に難くない。
 経済都市・上海に比較すると、政治都市・北京の日本人ビジネスマン吸収力の凋落が目立つ。1995年以降2000年まで5000人ラインで日本人数が停滞した。WTO加盟後にようやく増勢に転じているが、その伸びは緩慢で勢いがない。北京は遠からず蘇州に追い抜かれるであろう。詰まるところ、カネの沸くところにヒトは群がるのである。ちなみに上海、蘇州、北京の2003年一人当たりGDPは、それぞれ4万6700元(5642ドル)、4万7700元(5763ドル)、3万1613元(3819ドル)である。
日本人長期滞在者の推移
(単位:人、%)
(資料)外務省、各年年の海外在留邦人数調査統計

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