第38号 2007.5.2発行 by 中村 公省
    チェーン・ストア売上げトップ100(2006年) <目次>へ戻る
 商務部商業改革発展司と中国連鎖経営協会により、2006年チェーン・ストア売上げトップ100が発表された。本コラム「キーナンバー」では2004年版の一部を紹介したことがあるが(第11号 2005.03.01)、中国小売業の対外開放2年にして業界は様変わりしていて、大層興味深い。
 そこで、なにはともあれ、「2006年中国チェーン売上げトップ100ランキング表」を再整理して別表に掲げるとともに、当局による「2006年中国チェーン・ストア売上げトップ100社経営分析」全文を以下に訳出しておきたい(21世紀総研事務局訳)。
 なお、本表を読む基礎的な解説は、『中国進出企業地図 改訂新版』278-285ページで行ってあるので参照されたい。
2006年中国チェーン・ストア売上げトップ100社経営分析〔翻訳〕
 2006年は第11次5カ年計画の開始年で、わが国のチェーン・ストア経営は新らたな発展段階に入った。
 商務部商業改革発展司と中国連鎖経営協会の統計調査によると、2006年「中国チェーン・ストアトップ100」の売上総額は8552億元に達した。対前年伸び率25%で、社会消費財小売総額の13.7%を大きく上回った。チェーン・ストアの店舗総数は6万9100店、対前年伸び率57%。異常に増加した一部企業を除外して調整すると店舗数は26%増で、売上規模の伸び率と基本的に符合する。総売場面積は5170万㎡、対前年伸び率16%。従業員数は204万人、対前年伸び率31%に達した。中国チェーン・ストアトップ100社の売上総額の社会消費財小売総額に占める割合は、10%(正確には10.5%)を突破した2005年に続き、2006年は11.2%となった。
 チェーン・ストアトップ100社のうち、国美電器集団は小売総額869.3億元、総店舗数820店で単独トップ。第2位から第5位は、百聯集団有限公司=770.9億元、蘇寧電器集団=609.5億元、華潤万家有限公司=378.5億元、大連大商集団有限公司=361.4億元である。
 2006年中国チェーン・ストアトップ100社を分析すると、いくつかの注目すべき特徴があげられる。
1.集中度の上昇
全体のスケールからみると、ここ数年のトップ100社売上総額の年平均伸び率は30%を超えている。社会消費財小売総額に占める割合は、2002年6.0%、2003年7.8%、2004年9.3%、2005年10.5%、2006年は11.5%で、5年間で2倍近く増加した。2006年のトップ100社のうち、上位10社の売上総額は4073億元で、トップ100社の売上総額の48%を占め、2005年に比べ4ポイント上昇した。上位30社の売上総額は6396億元で、全体の75%を占めている。
 個別企業からみると、トップ100社の平均売上総額は85.5億元、平均店舗数は510店(一部企業の異常増加要素を除外)、2005年は70.8億元、383店であった。2006年トップ100社の最下位企業の売上総額は11.8億元で、2005年最下位企業と比べると44%増、2004年と比べると145%増となっている。
 業態からみると、家電専門店がピカイチである。国美、蘇寧、五星、大中、宏図三胞の5社が上位30位に入っている。その売上総額伸び率56%、店舗数伸び率54%で、他の業態より抜きん出ている。
2.外資系小売企業の躍進
 ①出店のスピードが速い。2006年の新規開店数は、カルフール33店、ウォルマート15店、メトロ6店。大型スーパー経営〔GMSやハイパーマーケット〕を主とする外資系小売企業11社(カルフール、大潤発、ウォルマート、好又多、易初蓮花(ロータス)、メトロ、楽購TESCO、百佳、オーチャン、イオン、イトーヨーカ堂)の新規出店数は100店を超え、前年の同期水準を上回った。
 ②M&Aに力が入る。スピード出店と同時に、外資系企業は普遍的にM&Aによる拡大方式をとっている。なかでも代表的なのは、百思買による江蘇五星電器の持株化、家得宝の家世界家居に対するM&A、特易による楽購への増資・持株化、百盛(パークソン)のブランド貸し百貨店の買収、ウォルマートの好又多の公開買付(2007年年初に宣言)などが上げられる。このM&A事例をみると、買収企業の実力は強力で、金額も大きく、M&Aの戦略意図が明らかである。また、既存の合弁企業の中でも、持株の買収・合作を通して、独資経営化へのテンポを速めている。
 ③企業利益が向上する。外国ブランド経営の小売企業18社をみると、店舗数の伸び率は20%で、トップ100社平均には及ばなかったものの、売上総額の方は27%増で、トップ100社の平均レベルより高い。そのうち、大型スーパー(会員制店舗含む)の経営を主とする外資企業11社は合計567店の大型スーパーを経営しており、2005年に102店増加した。一店当り売上高は2.15億元、対前年伸び率5%で、国内同業企業の店舗よりはるかに高い。
3.企業収益水準が高まる
 2006年トップ100社の売上総額の対前年伸び率は25%である。伸び率は2005年より8ポイント、2004年より9ポイント低いものの、企業の収益率は普遍的に改善した。
 まず、百貨店の収益率が大幅に向上した。例えば、北京王府井百貨(集団)股份有限公司の店舗数14%増に対し、売上総額は29%上昇した。そのうち上場企業の純利益は1.81億元、570.37%増であった。百盛集団傘下の上場企業の利益率は78.2%に達した。上記以外の百貨店経営を主とする企業の粗利益水準と純利益率も一定程度向上した。
 次に、スーパーマーケット業界の収益力が顕著に高まった。スーパーマーケット及び大型スーパー経営を主とする企業(百貨店とコンビニは含まない)の店舗数と売上総額の伸び率はともに19%である。全在庫回転率も前年の平均11.7回から12.2回に上昇した。粗利益も12.6%から12.9%となった。自社ブランド商品の売上総額は43.5億元、対前年比52%増。コンビニエンス・ストアの平均粗利益率も2005年の16.8%から2006年の17.7%に、在庫商品の平均回転率も20回から24回に上昇した。
 収益力の向上の原因は主に二つある。一つは経営管理のレベルの向上で、新しい管理技術の向上、不断の経営革新、コストのコントロール強化などがある。もう一つは消費環境の改善であり、これは百貨店業態への影響が特に著しい。
4.地域の優位企業シェアの持続的拡大
 2006年トップ100社のうち、地域での発展を主とする企業が58社あり、2005年と比べ4社増加した。中でも、北京、山東、江蘇は各々7社ずつある。2006年、58社の売上総額は2660億元、トップ100社に占める割合31%、対前年比21%増である。総店舗数は2万3700店で、トップ100社に占める割合は34%、対前年比23%増となった。
 地域性企業は一般的に地元で大きな市場シェアを持っている。トップ100社入りの山東企業三社をみると、2006年、山東家家悦超市有限公司の売上総額(注:一部威海市外の店舗売上も含む)の威海市社会消費財小売総額に占める割合は19%で、利群集団股份有限公司と青島維客集団股份有限公司2社の売上総額は青島市消費財小売総額の4%を占める。
5.フランチャイズ経営の急速な発展
 2006年トップ100社のうち、フランチャイズ経営をしている企業は46社(2005年は41社)ある。その売上総額1020億元、対前年比27%増で、トップ100社に占める割合は11%であった。2006年トップ100社の加盟店数は4.1万店で、フランチャイズ経営を展開している企業の直営店数を超え、2005年の2倍、トップ100社総店舗数の59%を占めた。フランチャイズ経営を展開する業態・業種は、主にコンビニ、農村スーパー、飲食業などの企業が多い。
6.業界の地位と責任の増大
 2006年は、政府の小売業に関する政策・法規が最も多く出された年であった。そのなかにはM&A、販売促進、工商関係、食品安全、農村商業、フランチャイズ経営、ランク付けなどがあった。計画、規則、規定など様々な面から、規範と促進を並行的に進め、小売業とチェーン店経営の健全かつ急速な発展のための外部動力となった。トップ100社のうち、一部企業の店舗数が異常なスピードで増加した要因の一つは、商務部の「万村千郷」市場プロジェクトが実施され、農村出店が増加したためである。如新合作商貿連鎖有限公司は一年間の新たに1万5200店舗オープンさせた。
 2006年、小売業が中国経済発展のホットな分野となったのは、チェーン店経営という現代的経営方式の応用と密接不可分である。業界の地位が上昇すればするほど、業界への関心は増々高まる。2006年トップ100社と資本市場の関係はさらに緊密化した。トップ100社のうち22社は上場企業あるいは関連企業が上場しており、一部のトップ100入りの会社は買収或いは買収される対象となっている。
 チェーン店経営の急速な発展とともに、業界に対し相応の社会責任が求められている。例えば、調和のとれた工商関係の維持、食品安全管理水準の向上、消費者権益の保護などで、これらは企業自身が不断に経営管理水準の改善、競争力の向上を通して実現できるものである。
(資料)中国連鎖経営協会「連鎖経営在“十一五”開局之年再創新高——2006年中国連鎖100強経営分析」
 
 
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