第48号 2008.5.29発行 by 中村 公省
    チェーン・ストア売上げトップ100(2007年) <目次>へ戻る
 商務部商業改革発展司と中国連鎖経営協会により、2007年チェーン・ストア売上げトップ100が発表された。本コラム「キーナンバー」では2004年版及び2006年版を紹介したことがあるが(第11号 2005.03.01、第38号 2007.5.2)、中国小売業の対外開放3年にして業界は様変わりしていて、大層興味深い。
 そこで、「2007年中国チェーン売上げトップ100ランキング表」を再整理して別表クリックすると新しいウインドウが開きます)に掲げるとともに、当局による「2007年中国チェーン・ストア売上げトップ100社経営分析」全文を以下に訳出しておきたい(21世紀総研事務局訳)。
2007年中国チェーン・ストア売上げトップ100社経営分析〔翻訳〕
 中国連鎖経営協会の調査によると、2007年中国チェーン・ストア企業トップ100社(「中国連鎖百強」)の売上規模は1兆元を突破し、1兆22億元に達した。対前年伸び率は21%で、社会消費財小売総額の伸び率16.8%を大きく上回った。チェーン・ストアの店舗総数は10万5191店、対前年伸び率は58%である。異常に増加した一部企業を除外して調整すると、店舗数は17%増となり、売上規模の伸び率を若干下回り、トップ100社売上総額の社会消費財小売総額に占める割合は11.2%となる。
 チェーン・ストアトップ100社のうち、国美電器集団は小売総額1023.5億元、総店舗数1020店で再びトップとなった。第2位から第5位は、百聯集団有限公司871.4億元、蘇寧電器集団854.7億元、華潤万家有限公司502.9億元、大連大商集団有限公司502.2億元である。トップ5社の社名と順位は、2006年のチェーン・ストアトップ100社と完全に一致している。
(1)急速で持続的な発展
 2003~2007年の5年間に、チェーン・ストアトップ100社の売上規模の対前年伸び率は、2003年45%、2004年39%、2005年42%、2006年25%、2007年21%と急速に発展してきたが、その勢いは明らかに年々緩やかになっている。
 業態別に見ると、家電(デジタル通信製品)専門店が一人勝ちしている。上位30社に、国美、蘇寧、五星、宏図三胞、迪信通の5社がランクインしている。その売上高伸び率は28%、店舗数伸び率は34%で、他の業態より抜きん出ている。百貨店はチェーン経営で収益率が向上した。チェーン・ストアトップ100社のうち、百貨店経営を主とするチェーン企業は12社ある。その店舗数伸び率は5%ながら、売上高伸び率は23%に達した。
 地域別に見ると、農村市場の発展が比較的速い。「万村千郷」市場プロジェクトに参加している新合作商貿集団の例を挙げると、店舗総数は2006年の2万1210店から2007年の5万2000店に増加した。対前年比145%増。これは2007年チェーン・ストアトップ100社の調整前の店舗数伸び率が、売上高伸び率を大きく上回った主因である。
(2)集中度の上昇

 全体のスケールから見ると、ここ数年のトップ100社の総売上高の年平均伸び率は30%を超え、社会消費財小売総額に占める割合は、2003年6%から2007年11.2%まで上昇した。2007年トップ100社のうちトップ10社の売上総額は5029億元で、トップ100社の売上総額の50%を占める。2003年の上位10社の売上総額は全体の42%であった。
 個別企業から見ると、トップ100社の平均売上高は100.2億元で、2005年の85.5億元と比べ17%増となっている。2007年最下位の売上総額は10.3億元に達した。
 中国のチェーン店経営の集中度は先進国と比べて高くない。現在のわが国チェーン店経営の発展は地域が主で、全国展開している企業は数少ない。

(3)海外ブランドの躍進

 2007年海外ブランド企業主要15社の売上高は売上総額の18%の1825億元である。対前年比は28%増。店舗数は全店舗数の3.7%の3956店で、伸び率は17%増である。同じ15社の2006年のトップ100社に占める店舗数の割合は4.9%、3378店で、売上総額は1438億元で、全体の16.8%であった。
 GMS(大型スーパー)経営を主とする外資企業9社の店舗総数は533店で、そのうち91店舗が新規オープンした。一店舗当たり年平均売上高は2.3億元であった。

(4)M&Aと統合力の強化

 直営開店と並んで、M&Aもチェーン店経営企業の規模拡大の重要な方法である。2007年トップ100社のM&A事例では、北京京客隆が元首聯集団のオーナーにチェンジ、国美電器による大中電器の買収、武漢商聯集団公司による武漢市内百貨店三社の統合、ウォルマートによる好又多の持株化、歩歩高による益陽愛麗絲の買収がある。2006年の企業間M&Aでは主に外資系企業が行ったが、2007年は買収者の多くは国内企業であった。 北京大中、天津家世界、三聯商社など多くの企業は買収されたため、2007年トップ100社から姿を消した。
 上場・融資は2007年、チェーン店経営企業にとって発展を図るための重要な選択肢となった。2007年トップ100社のうち4社、深圳佳華百貨と江蘇時代超市は香港で、広百股份と全聚徳は国内で上場に成功した。トップ100社の中ですでに上場、あるいは上場した親会社を持つ企業は27社に達し、今後上場を計画したり、非公開方式で融資を募る企業が増えつつある。

(5)総合能力向上を重視

 2007年トップ100社の発展スピードが低下して、企業は内部管理能力の向上に力を入れ、競争力の強化を図っている。
 企業は消費者の変化に適応するため、不断に革新し、高級スーパー、地域的ショッピングモール、産地直送などのモデルが出現している。その一方では供給インフラ建設を強化している。例えば、家家悦による生鮮食品卸売・配送センターの設立、ウォルマート天津物流配送センターの運営、蘇寧の供給管理用ERPシステムの成果、物美と日系企業による華北配送センターの建設などである。
 企業は経営マネジメントに力を入れると同時に社会的責任も果たしている。消費者権益保護、食品安全保障、災害支援、社会慈善事業への参与などで、企業イメージと地位が著しく向上した。
 2007年トップ100社をもとに分析すると、今後のチェーン店経営には以下の特徴があろう。
 業界は急速な成長を継続する。運営コストが比較的増加する。業界の競争がさらに激化する。業界はイノベーションと新規突破を追求する。企業の社会的責任が注目される。企業は優遇政策をさらに期待する。

(21世紀中国総研事務局訳)
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