第56号 2010.07.22発行 by 中村 公省
    2015年の中国人口予測
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 来年2011年から第12次5カ年計画が始まるが、計画の策定に先立ち、12次5カ年計画(2011-2015年)時期の人口の予測が出た。市場経済で「計画」は「規画」と名前を変え、ビジョン程度の拘束しか持たないと評する向きが多いが、こと人口については旧来の社会主義計画手法がとられており、上級から下級へ、中央から地方へ、そして中南海から家庭のベッドにまで計画数値が下りてゆき、セックスが厳重に管理される。人口計画を牛耳る国家人口計画生育委員会は社会主義「計画」を遂行しており、同委員会による12次5カ年計画(2011-2015年)時期の人口数値は、拘束的目標だと見なしてよい。
 前置きはともかく、以下では第12次5カ年計画(2011-2015年)時期の人口の数値を、国連の中国人口の将来予測(中位予測グラフ)と対比しながら確認して、中国社会の中期目標を見定める基礎としよう。
(1) 2015年の総人口は13.9億人で、14億間近になる。
 2005年13億の大台に乗り2020年には14億台に達する勢いであるが、中国当局(国家人口計画生育委員会李斌主任)は2015年総人口を13.9億と見なした。ちなみに国連中位予測は13億1225万人である。(図1参照)

図1 中国総人口の予測
グラフ:中国総人口の予測
 資料: UN, World Population Prospects: The 2008 Revision

(2) 都市人口が農村人口を凌駕し、7億人を超え、都市化の時代となる。
 中国当局は、第12次5ヵ年計画(2011-2015年)中に都市人口は7億を突破、農村人口と都市人口との逆転が起こるという。国連中位予測では2015年には都市人口49.2%、農村人口50.8%と予測して逆転にはいたっておらず、中国当局は都市化のピッチをより厳しく見ているわけだ。(図2参照)都市化の動力は、豊かさを求めて農村から都市へと流動する流動人口にある。その数は2009年調査2.11億人、主流は1980年後生まれ(「80后」)の若者である。これは「盲流」で計画外であり、計画当局も押し留めがたく、労働市場メカニズムにゆだねるほかない。
 急激な都市化の時代が到来する。2025年に上海は2000万、北京は1500万、深圳、重慶、広州は1000万以上、都合中国には1000万以上都市が五つ出現する(と国連は予測している)。

図2 中国人口の都市化予測
グラフ:中国人口の都市化予測
 (資料) UN, World Population Prospects: The 2006 Revision and World Urbanization Prospects: The 2007 Revision

(3)60歳以上の老人が2億人に達し、老齢化社会になる。
 60歳以上人口が2011~2015年に800万以上増加し2015年には2億を突破する、と当局は見なしている。65歳以上なら2015年1億3千万、2025年1億9千万人(国連中位予測)。中国も老齢化社会への道を確実にたどっている。

図3 中国人口の老齢化予測
グラフ:中国人口の老齢化予測
資料: UN, World Population Prospects: The 2008 Revision 

(4)19歳以下の男女バランスが崩れ、その差2377万人にもなり、嫁不足社会になる。
 人民網2010年7月8日は以下のように伝えている。「中国人口学会の田雪原・常務副会長によると、国家統計局の人口統計資料に基づく推算では現在、0-19歳人口のうち、男性は女性よりも2377万人多い。今後20年以内に、毎年新たに結婚適齢期を迎える男性は女性に比べ年平均120万人以上多くなる。」
 出生性比(女100に対する男の比率)は、1980年108.47、1990年111、2000年119、2005年120.49、2009年119.45というアンバランスな状況が続いている。「B超」(超音波検査)でお腹の子の性別があらかじめ知れる結果だが、この是正は容易ではなく今世紀半ばまでの時間を要し、その間の嫁不足は深刻な状況を呈する。

図4  中国の出生性比(女性=1に対する男性比)の推移
グラフ:中国の出生性比(女性=1に対する男性比)の推移
資料: UN, World Population Prospects: The 2008 Revision

 

 
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