第57号 2010.09.10発行 by 中村 公省
    中国大学生の人気企業―2010年調査結果
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 2010年の中国大学生の人気企業が発表された。この調査は「中華英才網」というリクルート専門サイトと、北京大学光華学院、『経済観察』、網易ビジネス報道が共同して毎年行っている調査で、今年で第8回目である。本欄では3年前の調査結果を紹介したことがある(第40号 2007.8.8発行http://www.21ccs.jp/china_watching/KeyNumber_NAKAMURA/Key_number_40.html)が、当時と状況は様変わりしている。リーマンショックによって、将来を託すべき企業の信頼度が激変したことが、学生の選択に大きな変化をもたらしたと思われる。
 以下では、2010年のベスト50を、1年前の2009年と5年前の2005年との調査結果と対比して、その変化を表にしてみた。「中華英才網」が集計した、図1、図2と表1とを対照すれば、変化は容易に見てとれるであろうが、念のため大きなトレンドだけを列記しておく。

(1) 外資系企業が凋落し、国有企業が台頭した。
 表1で赤に塗ったのが国有または国有に準じる企業である。黄色に塗ったのが外資系企業である。外資系企業のうち日系企業は特別にピンク色にした。国有企業の台頭、外資系企業の凋落は一目瞭然であろう。日系企業は2010年にベスト50から全く消え去った。
(2) 国進民退の風潮に、敏感に反応している。
 さまざまな経営指標から国有企業が伸長して、民営企業が後退しているが、この風潮に大学生は敏感に反応している。表1で白いコラムは民営企業である。2010年調査に残っている民営企業はネット、IT関連の5社のほかは江蘇の鉄鋼企業を加え6社にすぎない。


表1 中国大学生の人気企業--2010年調査結果を2005年、2009年と比較
表1 中国大学生の人気企業--2010年調査結果を2005年、2009年と比較
source:「第8回中国大学生最佳雇用主調査報告」2010年7月 中華英才網:http://www.chinahr.com/promotion/mkt/2010bestemployer/images/2010report.pdf

(3)寄らば大樹の陰で、国有企業のほか、政府機関、国家事業単位が人気
 図1で明らかなように国有企業のほか、政府機関/非営利機構、事業単位が人気が傾いており、景気に左右される民営企業は敬遠される傾向にある。

図1 2008~2010年大学生に人気のある企業形態
図1 2008~2010年大学生に人気のある企業形態

(4)業種では金融/投資/保険と公務員が圧倒的
 図2で明らかなように、人気業種は、1位金融/投資/保険、2位政府/公共事業、3位教育/文化/科学研究/育成訓練であり、安定性が基準になっているように見える。電機IT企業が花形業種であった5年前の風潮は退潮している。
図2 2009年、2010年大学生に最も人気のある業種トップ10比較
2009年、図2 2010年大学生に最も人気のある業種トップ10比較

 

 
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