第58号 2010.09.30発行 by 中村 公省
    中国事情が一目でわかるデジタルマップ
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 中国事情が一目でわかるデジタルマップのサイトを紹介してみよう。

(1) 様変わりの中国環境――深圳、三峡、黄河三角州、北京、長白山
 国連環境プログラムのサイトである Atlas of Our Changing Environment (http://na.unep.net/digital_atlas2/google.php)は、世界各地の環境の変化を地図、航空写真、グーグルアースによって一目瞭然にしている。日本は1地点――諫早湾を取り上げているが、中国では5地点――深圳、三峡、黄河三角州、北京、長白山の改革開放以来の環境変化をとらえている。
 図1は、改革開放の原点である深圳の1979年と2004年の航空写真である。GOOGLE EARTHに切り替えれば、かつては農地であったところに数千の建物・工場が立ち並んでいることがクローズアップできる。深圳湾は埋め立て・港湾施設の建造によって形状が変わり果てている。さらに同じところを地図に切り替え、拡大・縮小してフォーカスすれば街路図が得られる。

図1
深圳の1979年と2004年の航空写真

 2は三峡のダム建設前と建設後である。この環境変化の代償として、ここから中国の電力の9分の1、原発では15カ所分の電力が供給される。

図2
三峡のダム建設前と建設後の航空写真

 図3は1979年と2000年の黄河デルタの姿である。一見して、河口の上部に突起する半島が形成され海岸線が全く変わっている。半島は黄河が運んだ黄土の堆積である。歴史地図を開くと黄河デルタの河流が転変してやまない様が描かれているが、わずか20年の間に、これほど変わるものか、と感嘆を禁じえない。

図3
1979年と2000年の黄河デルタの航空写真

 北京の都市空間の拡大、長白山の火口周辺の変化については割愛するが、20年ほどの時の流れの中で、経済社会が変わり、自然が変わり、地球環境が劇的に変化していく様が実感できる。

(2) ケッペン気候図による中国植生の変化
 中国の気候が大きく変わり、建国以後60年間の平均気温の経年変化は摂氏2度上昇し、年間降雨量の増減幅が大きくなっている(矢吹晋編『一目でわかる中国経済』186-187ページ)。この温暖化現象は、中国大陸の植生の変え、生態系を変える。それを確認できるのが、ケッペンの気候図が縦横に見られるウイーン獣医科大学のWorld Maps of the Köppen-Geiger climate classification である(http://koeppen-geiger.vu-wien.ac.at/)。
 ここでは、世界の気候図が1901-25年から25年刻みで2076-2100年まで歴史時期を20区分して表示できる仕掛けがある。色鮮かに塗り分けられた平面の気候図を一瞬にして立体的なgoogle earthに転換することができ、さらに地球儀を動かして中国にポイントしていけるのである(図4)。1901-1925年の気候図と2076-2100年の予測気候図を比較してみると、青海・チベットの氷河が溶け気候が湿潤化していくのが不気味である。氷河が溶け湖沼が拡大していく宇宙からの写真画像は米NASAのVisible Earth (http://visibleearth.nasa.gov/)でも、しかと確認できる。

図4
世界の気候図

(3)カルトグラムによる変形地図
 カルトグラムとは、統計データに基づき地図を変形し、地域の特徴を視覚的に表現する地図である。初耳の人には、「【エリアカルトグラム】いろんな地図を見てみよう!【統計地図】」(http://matome.naver.jp/odai/2126275566830442101)が案内してくれる。
 世界のエリアカルトグラムは(http://www.worldmapper.org/index.html)にある。「WORDMAPPER」で「これまで見たこともない世界」をうたい文句にしている。人口、生産、所得、健康、疾病など様々なジャンルの世界地図が696もある。例えば、人口では2300年の世界人口のカルトグラム(図5)を過去の地図と比較して対照できる。

図5
2300年の世界人口のカルトグラム

 SHOW(http://show.mappingworlds.com/)ではフラッシュ形式で世界規模、米国、日本についてのさまざまな非連続カルトグラムが見られるだけでなく、みずから作図もできる。例えば、図6はビジネス―グローバルブランド―マクドナルドである。これを見ると、中国におけるマクドナルド商売は前途洋々たるものがある。

図6
show.mappingworlds.comのホームページの画像

 スイスの連邦統計事務所(FSO:Swiss Federal Statistical Office)のサイトでは、連続カルトグラム(contiguous cartogram)を作成できるmapressoを無償公開している(http://www.mapresso.com/tool/index.html)。オンラインの上で世界のカルトグラムを作成し、JAVAソフトでタウンロードすることができる。なお、カルトグラムの中国語は「比较统计地图」あるいは「示意地図」である。 

 
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