第60号 2012.03.06発行 by 中村 公省
    日本の第4次中国投資ブーム(1)
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 リーマンショックの余波で中国の外資導入は2009年に大きく後退したが、2010年は盛り返し(同22%増)、2011年も微増した(同2.6%増)。2000~2005年ブームほどではないものの、2006年以降、もう一つの高波が押し寄せているようにみえる(図表1)。

図表1 中国の外資導入(1979~2011年)
 (資料)中国商務省外資司

 1979年の対外開放以来2011年までに中国が導入した外資は、累積で71万747件、実行金額で1兆1779億米ドルに及んでいる。国地域別内訳では香港が圧倒的な地位を占めていて、金額で41%を占める。日本が6.6%で2位、続いて5~6%台の台湾、EU、米国が連なっている(図表2)

図表2 国、地区別外資導入シェア(2010年末累積)
 
 内円は件数、外円は実行額
  (資料)中国商務省外資司

 外資進出の結果としての在中の外資系企業は紆余曲折があり、投資件数とは大きく隔たる。中国工商行政管理局の登録数でみて外資系企業は2010年現在で28万8088社に及ぶ。その内訳は、香港系11.9万社、台湾系2.6万社、日系2万2307社、米系2.16万社、韓系1.9万社(図表3)。

図表3 日本、米国、韓国、台湾出資の企業登記数
 (資料)国家工商行政管理局

 日本からの中国の外資導入状況はどうか?

図表4 日本からの中国の外資導入(1986~2011年)
  (資料)中国商務省外資司

 図表4に明らかなように、2011年は対前年比55%増という異常な伸びを示した。世界各国からの伸びが2.6%、米国がマイナス26.1%と比較すると、日本の急激な増加ぶりが際立っている。歴史的な円高が大きく作用しているとみられる。
 日本企業の対中投資ブームは、歴史的にみて第4次ブームといっていい。第1次ブームは80年代後半で、やはり円高が対中投資を促した。第2次ブームは90年代前半で、鄧小平の南巡講話に促され、電気機器や機械メーカーが主役を務めた。そして、第3次ブームは中国のWTO加盟を契機とした最大級の波で6年間にわたってブームが続いた。このブームでは自動車組み立て及び自動車部品が大きな役割を果たした。では、2000年代後半から始まった第4波は産業セクターとして何がリードしているのか?

 
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