第76号 2019.6.25発行 by 中村 公省
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 習近平・李克強政権は、新常態(ニュー・ノーマル)の中高速発展をめざし、2020年の一人当たりGDPを2010年比倍増することを公約してきた。そのゴールを間近かにして、2018年の一人当たりGDP倍増計画の達成度を見たのが図表①である。
 全国レベルで1.7倍である。残す2年が仮に7%ずつの成長だとすると2010年=196で、まずまず。省レベルでは、2018年すでに2倍増を達成してしまったところが11出ている。東部では天津、福建、中部では長江沿いの江西、湖北、安徽である。ただし天津は統計が水増しされていることが発覚しており、そのまま信じるわけにはいかない。西部の成長度が高く、全省が一人当たりGDP2倍増計画を達成するであろう。中でも貴州、重慶、雲南、陝西、チベット、四川が2018年段階で2倍増を遂げている。2000年に打ちあげられた西部大開発計画が現実的成果をあげていると見ることもできるであろう。
 図②の方は2018年省レベル一人当たりGDPの地域的バラツキを見たものである。
 表③では、全国平均=9750米ドルを基準にして31省市自治区を4つのグループに分けている。①全国平均1.5倍以上を高所得、②全国平均1.5倍未満で全国平均以上を上位中所得、③全国平均未満で全国平均の4分の3以上を下位中所得、④全国平均の4分の3未満を下位中所得とみなそう。
 高所得グループは、北京、上海、天津、江蘇、浙江である。この富貴エリアは、人口約2億人で、中国のGDPの4分の1を占めている。上位中所得は、福建、広東、山東、内蒙古、湖北、重慶で、人口4億人近く、西部2省を含む。下位中所得は、陝西から四川までで遼寧、吉林を含み、人口4億人、中国のGDPの4分の1。そして、低所得グループは西部を主とするが、東部の河北、中部の安徽、東北の黒龍江も含んでいることが注目される。これが中国の省レベル貧富度読み取り表である。

①省レベル一人当たりGDP2倍増計画の達成状況(2018年/2010年×100)
 (資料)『中国統計年鑑』各年版


②省レベルの一人当たりGDP(米㌦表示)ランキング(2018年)
 (資料)国家統計局データ、IMFデータにより21世紀中国総研作成


表③ 省レベルの一人当たりGDPレベルの分布
所得ランク 省市自治区 人口 人口 GDP GDP
(万人) (%) (億元) (%)
高所得 全国平均1.5倍=14,625 米㌦以上 天津、北京、上海、江蘇、浙江 19,925 14.3 230,602 25.2
上位中所得 全国平均~全国平均1.5陪
内蒙古、福建、広東、山東、重慶、湖北、吉林 39,591 28.4 301,645 33.0
下位中所得 全国平均=9,750米㌦以上
陝西、遼寧、寧夏、湖南、海南、青海、河北、河南、新疆、黒龍江 40,763 29.2 210,209 23.0
低所得 全国平均未満 江西、四川、安徽、広西、山西、チベット、貴州、雲南、甘粛 39,331 28.2 172,252 18.8
(資料)国家統計局データ、IMFデータにより21世紀中国総研作成


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