第0-2号 2004.3.1発行 by 中村 公省
    上海経済圏の流動人口 <目次>へ戻る
 上海経済圏で流動している人口は、果たしてどれくらいあるのか?
2002年6月30日24時を期して調査された中国公安部公安局のレポートによれば、下表のような結果が出ている。上海市の流入人口は291万人、江蘇省は514万人、浙江省は707万人である。1市2省を合計すると1512万人で、東京都の人口よりもはるかに多い。
 ここで、流入人口とは中国語では「暫住人口」と言い、定住するための戸籍がなく、暫く仮住まいしている人を意味する。しかし、実際のところは、農村戸籍と都市戸籍とを厳格に区別して人口移動を封じた旧来の戸籍制度の修正が追いつかず、戸籍を与えられないまま仮住いしている人を指している。
 では、上海経済圏での流動者は何処からやって来るのか?
 上海市への流入者は、他所の省からがほとんどで98%を占めている。しかも、他所の省の都市から来た者は少なく、農村部である県から来たものが圧倒的に多く84%を占めている。公安部調査では具体的地名は明示されていないが、中部の安徽省、江西省、西部の四川省の農村部からやって来たものが多いと推測される。
 一方、江蘇省は上海とは事情が違っている。省外の県から来たものは3分の1程度(34.5%)であり、省外の都市から来た者を合算しても半分まで行かない(47.9%)。半分以上は同じ江蘇省内の農村及び都市から来たものである。江蘇省は省内流動型だと言っていいであろう。これは、江蘇省が南と北とで経済格差が大きく、経済レベルの低い省内の北(蘇北や蘇中)から経済レベルの高い南(蘇南)に人口が流動しているものと思われる。
 浙江省は、また事情を異にしている。浙江省は江蘇省とは違って、むしろ上海に似ていて省外からの流入人口が多いのである(75.2%)。その出身省は隣の江西省、安徽省が主力と見られる。何故かくも省外人が多く、省内での流動が少ないのかの理由は定かでないが、私営経済の発達が大きく影響しているに違いない。

  上海経済圏への流入人口
(単位:万人)
市・省 流入人口 流入源
省内 省外
合計
上海市 2,907,307 1,808,127 1,099,180 5,481 21,530 402,242 2,448,858
江蘇省 5,143,717 3,119,337 2,024,380 760,711 1,685,126 690,118 1,772,735
浙江省 7,069,345 4,215,667 2,853,678 402,696 1,345,073 840,013 443,913
上海市 100% 62% 38% 0% 1% 14% 84%
江蘇省 100% 61% 39% 15% 33% 13% 35%
浙江省 100% 60% 40% 6% 19% 12% 63%
 (資料)公安部治安管理局『全国暫住人口統計資料匯編』



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