上海の一人当たりGDP(域内総生産)は2003年に5000ドルを突破することは確実であるが、同年上半期の都市家庭の消費構造を覗いてみよう。
食品、衣料品、住居、交通の生活4セクターへの支出額は一人当たり月平均502元であるが、これを収入階層別に、低層、下位中層、上位中層、高層に別けて見ると100対143対200対372という支出比になっている。言い換えれば、金持ち(高層)は貧乏人(低層)より3.7倍の衣食住交通費をかけている。
衣食住交を分解すると表のごとくで、さらに暮らし振りが明らかになる。食費は貧乏人だろうと金持ちだろうと大して変らないが、衣料費となるとずいぶん違う。金持ちは貧乏人より食い物では1.6倍しか使わないが、着る物には13倍もかける。上海の金持ちはいわば見栄っ張りで、着倒れの傾向がある。
住居費のうち消費電力費は貧乏人と金持ちの比は1対2.2、住宅費では1対8.8で、金持ちの住宅にかける出費も平均を大きく上回っている。それが住宅装飾・改修費用ともなれば、35倍の格差があるというから、金持ちの見栄っ張りは確定的である。
レジャー娯楽費で貧富の格差が出るのは当然のことで、低所得層と上位中層との比較ですら5倍の差がある。教育保健費も同様であるが、こちらのほうは一人っ子のご時世で貧乏人の出費も少なくなく、医療保健支出では金持ちは貧乏人の5倍の格差にとどまっている。
ところで、上海の一人当たりGDPは2007年に7500ドルという目標が立てられているが、そのときの都市家庭の消費構造はどうなっているか。上海統計局は、以下のグラフのような、構造を予測している。103頁の「都市住民の消費支出」と接合すれば、今後の上海市民の消費トレンドを読むことができるであろう。
2003年上半期の上海都市家庭の階層別消費構造 |
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2007年の上海都市家庭の消費構造予測 |
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低層 |
下位中層 |
上位中層 |
高層 |
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衣食住交通費計 |
300元 |
429元 |
610元 |
1116元 |
同上指数 |
100 |
143 |
200 |
372 |
食費指数 |
100 |
138 |
156 |
162 |
衣料費 |
100 |
230 |
510 |
1310 |
住居費中住宅 |
100 |
130 |
290 |
880 |
住居費中電気 |
100 |
130 |
150 |
220 |
医療保健費 |
100 |
160 |
240 |
510 |
(資料)上海市統計局 |
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(資料)上海市統計局 |
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