中華点点(第32回)

竹内 実
(京都大学名誉教授)

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電子礫・蒼蒼
第42号 2011.02.01   
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中国の旅―記録と回想①
〈増刊第1号の辞〉



 せんだっての猛暑のなか、気がつくと病床にあった。8月中旬のことである。
考えると、わたしの中国旅行は、かなりの回数をかさねている。《中国 歴史の旅》、《中国 長江歴史の旅》(いずれも朝日新聞社―現〈朝日新聞出版〉出版)を出している。
 しんどい思いをせずに中国へでかける回数をかさねたのは、上野秀一氏が企画者・推進者として同行して下さったおかげだった。もっとはやく上野氏のご尽力に気づくべきだったと反省し、中国旅行の機会をつくって下さった「上野さん」を中心に記録をまとめようと思いついた。
 別紙の〈一覧表〉に見られるように、毎回の旅行はそれぞれの特色をうちだしている。
No1,No2で、慙愧(ざんき)に耐えないのは、当時は観光旅行がはじまったばかりで旅の安全はだれも約束できなかったにもかかわらず、武者小路千家 千宗守お家元をお誘いし、欣然(きんぜん)として参加していただいたことである。
 杭州には虎跑泉(こほうせん)という名水がある。(書物だけで知ったにもかかわらず)それでお茶を点(た)てるというのをひとつのポイントとしたのだったが、お家元はこれに賛成され、三宅 宗匠をご同行になった。さらにお家元は、わたしの試案に景徳鎮(けいとくちん)を加えるようご注意下さった。当時「日中旅行社」にあった辻田順一氏も同行されたが、よく事故にならなかったと、いま思えば冷や汗がでる。しかし、景徳鎮は中国のやきものの原点として見どころがあった。
 この11回の旅は、いずれも無事終了し、いまさらながら武者小路千家お家元はじめ、三宅、赤羽根両宗匠、上野氏、それに参加者みなさんにお世話になった。心から感謝したい。
 こころよく執筆をお引き受け下さった上野氏(わたしを褒(ほ)めすぎているが)、および《中華点点》増刊の発行を許された蒼蒼社主、中村公省氏に感謝する。
(竹内 実 敬白 2011年1月2日 記) 
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